アメノワカヒコの弔い

スポンサーリンク

シタデルヒメの嘆き

「あなた!私をのこして死んでしまうなんて!!」

アメノワカヒコが死ぬと、
妻シタデルヒメ(下照比売)は夫の死骸に取りすがり、
泣き叫びます。

その声は風に乗って響き渡り、
はるか高天原まで届きました。

「何ッ?ワカヒコが死んだ?」
「まさか、ワカヒコが…」

高天原にいたアメノワカヒコ(天若日子)の父
アマツクニタマノカミ(天津国玉神)も、
アメノワカヒコの妻も子も、アメノワカヒコの生死を
確かめるために葦原中国に下ってきます。

そして事実、アメノワカヒコが死んだとわかると
嘆き悲しみ、その場に喪屋を建てました。

そして河雁を死者に食物をささげる役、
鷺を祭壇を掃き清める掃除役、カワセミを死者のための調理人、、
雀を死者にささげる米をつく役、雉を泣き女とそれぞれ役割を与え、
八日八晩の間、歌や踊りを捧げました。

死者と間違えられる

「わが友ワカヒコ。若くして亡くなるとは…
なんと悲しいことだ」

スポンサーリンク

葬儀の日、アメノワカヒコの妻シタデルヒメの兄
アジシキタカヒコネノカミ(阿遅志貴高日子根神)が、
弔いにやってきました。

ところがアジシキタカヒコネノカミは
アメノワカヒコにソックリだったので、

「おお!ワカヒコが生き返った!」
「あなた!生きてらしたんですね!」

アメノワカヒコの父と妻はアメノワカヒコが生き返ったと勘違いし、
アジシキタカヒコネノカミに取り付きます。

「ちょ…、なんです、あなた方は」
「おうおう息子よ、よく生き返った」
「もう私から離れないでください」

アジシキタカヒコネノカミは、自分が死者に間違えられているとわかると、

「ふざけるな!!」

アメノワカヒコの父と妻をドーンと突き飛ばします。

「俺はワカヒコの親友なので
弔いに来ただけだ。死者と間違うとはなんと汚らわしい!」

スラッと腰に帯びた十掬の剣(とつかのつるぎ)、その名も
大量(おおはかり)、別名神度剣(かむどのつるぎ)を抜き放ち、

「でやあ!」

アメノワカヒコの喪屋を打ちこわし、

ドカーッ!!

足で蹴り飛ばしてしまいました。

これが美濃にある藍見の河の河上にある喪山となりました。

シタデルヒメ、兄の名を明かす

アジシキタカヒコネノカミはカンカンに腹を立てて、いずこかへ
飛び去ってしまいました。

アジシキタカヒコネノカミの妹シタデルヒメは、

(まあ…たくさんの方に迷惑をかけて。
こまった兄だこと。
せめて兄の名くらいは明かしていきましょう)

歌の文句の中に、兄の名を読みこみます。

「天上の美しい機織り女が首や足にかけていらっしゃるという
ミスマルの飾り輪のように、玉の輝きが二つの谷にわたって輝きわたる、
そんな美しいアジシキタカヒコネノカミ」

≫つづき【タケミカヅチノカミの派遣】

解説:左大臣光永

音声つきメールマガジン「左大臣の古典・歴史の名場面」のご案内

現在18000人以上が購読中。

メールアドレスを入力すると、日本の歴史・古典について、楽しくわかりやすい解説音声を無料で定期的に受け取ることができます。毎回10分程度の短い解説で、時間を取りません。楽しんで聴いているうちに、日本の歴史・古典について、広く、立体的な知識が身につきます。スマートフォン・Androidでもお聴きになれます。不要な場合はいつでも購読解除できます。

いつも使っているメールアドレスを入力して、 「無料メルマガを受け取る」ボタンをクリックしてください。次回からお使いのメールアドレスにメルマガが届きます。

≫詳しくはこちら


スポンサーリンク