浦島太郎

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昔昔ある海ぞいの村に浦島太郎という漁師の若者がおりました。

浦島太郎は日々釣った魚を村で売って年老いた母親と二人で細々と暮らしていました。

ある日太郎が海岸を歩いていると、なにやら子供たちが集まっています。

見ると、海辺に打ち上げられた亀を蹴ったりほり投げたり、散々に苛めているのでした。

「こらこら、何をしとるか。生き物になんちゃうかわいそうなことをするんじゃ。ほれ、小遣いをやるから飴でも買って食え。…まったくロクでもないガキどもじゃ。いやあ、お前えらい目におうたな。二度と捕まらんように注意して暮らしなさい」

亀は太郎にいかにも感謝してる様子で、何度も振り返り振り返り、海へ帰っていきました。

数日後、太郎が舟に乗って魚を釣っていると「浦島さん、浦島さん」ふなばたから話しかけるものがあります。

見ると、この間助けた亀でした。「浦島さん、いやー、あの時は助かりましたよ。お礼に竜宮城に案内しますから甲羅に乗ってください。面白いところですよ」

「おお、あの時の亀か。お前恩返しをしにきたのか。感心な奴じゃ。どうれ、ははは、なかなかよい乗り心地じゃ」

太郎は亀の甲羅に乗って海に潜り、ずんずん進んでいきます。やがて海の底に立派な宮殿のような建物が見えてきました。

建物の入り口には、魚たちに囲まれてそれは美しいお姫さまが太郎を待っていました。

「亀を助けてくださって本当にありがとうございます。わずかばかりのお礼ですが楽しんでいってくださいね」

ご馳走が用意され、鯛やヒラメが舞いを踊ります。それはもうこの世のものとは思えない美味しい食事と、面白い見世物。太郎は時のたつのも忘れ、大喜びでした。

ところが何日かして、太郎は村に残してきた母親が心配になってきました。今ごろ捨てられたと思って泣きわめいているのではないかと、胸が痛くなってきました。

「こんな身に余るおもてなしを…ほんと、何とお礼を申していいやら。だども村に残してきた母が心配です。そろそろおいとまをせんといけませんです」

「そうですか。いつまでもここにいてほしいのですが、仕方ありません。お土産にこの玉手箱を持っていってください。ただし、けして開けてはなりません」

太郎は、開けちゃダメなら最初から渡さなきゃいいのにとちょっと変に感じながらも、また亀の甲羅に乗って帰っていきました。

村に着いた太郎は驚きました。村の様子がすっかり変わっていたのです。家々や市場の並びも変わっており、道行く人も知らない顔ばかりです。

自分の家があった場所にもう家はなく、母もおらず、草が生い茂っていました。通りかかった人に聞いてみると、「浦島?俺のじいさんの代にそんな人がいたらしいがの」ということでした。

太郎はほんの3日間竜宮城にいたつもりでしたが、地上では100年以上の月日が流れていたのでした。

太郎は途方に暮れ、力なくうなだれていましたが、竜宮城を去るときにお姫さまがくれた玉手箱のことを思い出しました。「この玉手箱を開ければ、何かわかるかもしれない」

太郎がなかばヤケクソで玉手箱を開けますと、ブワーーと白い煙が噴出します。すると、太郎の髪の毛は真っ白になり、肌は見る見る艶を失い、腰がぐーぅと曲がり、たちまち太郎はおじいさんになってしまいました。

解説:左大臣光永

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