桃太郎

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こんにちは。左大臣光永です。
大寒の日も過ぎ、いよいよ寒さが増してきますね。
夜はしっかり着こんで、温かくして寝ましょう。
起きたらノドがイガイガしてた、なんてことがないように、
お互いに気をつけましょう。

さて本日は『桃太郎』の話です。

子供のころ、誰もが聴いた『桃太郎』の昔話。
しかしよく調べてみると、大和王権による
支配の歴史が見えてきて、面白いです。

▼音声が再生されます▼

http://roudoku-data.sakura.ne.jp/mailvoice/Momotarou.mp3

桃太郎のイメージの原型は『古事記』や『日本書紀』に登場する
7代孝霊天皇の皇子吉備津彦命(きびつひこのみこと)と思われます。

吉備津彦命は「四道将軍」の一人として山陽道を征服した将軍です。

その頃、現在の岡山県総社市の鬼ノ城(きのじょう)という山城に
温羅(うら)という百済国の王子がすみついていました。

温羅は大和王権にしたがわず、税をおさなかったようです。
そこで天皇は吉備津彦命を召しだし、勅命を下します。

「吉備津彦命よ、ただちに温羅をこらしめよ!」

「ははっ」

天皇の勅命を受けた吉備津彦命は、

犬飼健(いぬかいたける)
楽々森彦(ささもりひこ)
留玉臣(とめたまおみ)

三人の家来とともに温羅の砦に攻め寄せ、
ついに温羅を攻め滅ぼしました。

しかし温羅は、死後も祟りをなしたので、その悪霊をしずめるため、
温羅を吉備神社の釜の下に封じ込めたという伝説です。

伝説は昔話となり、吉備津彦命⇒桃太郎となり、
三人の家来⇒サル、犬、キジとなり、
桃太郎の黍団子⇒岡山名物吉備団子となり、
今に伝わっています。

こんな歴史的背景もふまえながら聴いてみると、
子供のころから聴きなれた「桃太郎」にも
新たな発見・感動があるのではないでしょうか。

さらに「桃太郎」の昔話にはいろいろなバリエーションがあり、
話によって桃太郎の性格づけまで、大きく違います。

たとえば労働意欲に欠けた、ぐうたら者の桃太郎の話があります。
この桃太郎が、私は一番好きです。

むかしむかし

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へせんたくに行きました。

おばあさんが川でじゃぶじゃぶせんたくをしていると、
川の上流から大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

「あれまあ、うまそうな桃だこと。うちの桃ならこっちこい、 よその桃ならあっちいけー♪」

そう言うと、おばあさんのほうにスーと流れてきます。

おばあさんはその桃を持ち帰って、家でおじいさんと一緒に切ろうとします。

「ばあさんや、えらい桃を見つけたな」
「よく実っておいしそうですね」

包丁を入れようとしたところ、桃はじゃくっとひとりでに割れて、
中からバーンとかわいい男の子が飛び出します。

「あんれま、なんちゅうことか」

おじいさんおばあさんはビックリしますが、
まあ神様からの授かりもんじゃろうと、育てることにします。

桃から生まれたので桃太郎と名付けます。

桃太郎は食うたら食うただけ、よう育ちます。

米を食うてはズンズン、
芋を食うてはズンズン、
大根食うてはズンズン育ち、
そりゃあじょうぶな男の子に育ちます。

桃太郎 怠ける

ところが桃太郎はまったく働かずに食っちゃ寝食っちゃ寝していました。

この時代の子供というと、12、3歳にもなれば立派な働き手です。
畑の手伝いや山へ猟に行ったり、いろいろしたものです。

しかし桃太郎は一日ボサーとしていました。まるで働きません。

それでもおおらかな性格からか仲間から大変好かれ、
誰もが「よお桃太郎」「桃太郎、今日ものんびりしとるなあ」と
声をかけるのでした。

ある時、村の若者が集まって山へ木を切りにいくことになりました。
他のものは朝早く起きて山へ登りましたが、
桃太郎は昼すぎてようやく目がさめます。

ふあーあ

大きなあくびを一発、
「よっしゃ、やるべ」ようやく山へ登ります。

その間みんなはがんばってたくさんの木を切っていました。
そこへ、もう日も暮れかけてから桃太郎がのんびり登ってきます。

「なんじゃ桃太郎、今頃きたか。
眠そうな目をして、髪なんかくちゃくちゃじゃぞ」
「うん、おら今から一働きするだ」

と言うなり桃太郎は一番大きな大木にふんとつかみかかり、
ぐぐーと足を踏ん張り、ズボーと引き抜きました。

そしてみんながビックリしている中、
大木をかかえてのんびり山を降りていくのでした。

こんなことがあったので、仲間内では
「のんびりしてるけど、やる時はやる男」と、一目置かれていました。

鬼が島へ

さて、その頃村にはしゅっちゃう鬼がきて悪さをしていました。
米や野菜を盗んでいく、町に火をかける、人をさらう。
村人たちはほとほと困ってました。

そんなさわぎをよそに、
桃太郎は毎日ぼさーと寝ていましたが、友達が集まって、

「桃太郎、鬼がヒドイんだ」
「鬼を退治してくれよう」

と、熱心に頼みます。

「なんだうるせえなあ」と桃太郎はゴロゴロしてましたが、
まあ頼りにされるのは気分のいいことでもあるので、
ある日適当に鬼退治でもするかという気まぐれを起こしました。

「おじいさん、おばあさん、
みんな困ってるから鬼退治に行ってきます」

おじいさんおばあさんはビックリして止めますが、
いったん言い出したらきかない桃太郎です。どうしても出発するのです。

こうなったら仕方ないと、おじいさんは「日本一」と書いた
いさましいのぼりを作ってやります。おばあさんは
「旅の途中にお食べ」ときびだんごを作ります。

このきびだんごは、今でも岡山名物のおみやげとして売られてます。

桃太郎はおじいさんの作ってくれた日本一ののぼりと
おばあさんの作ってくれた日本一のきびだんごを持って、鬼退治に向かいます。

とちゅう、犬に出会います。

「桃太郎さん桃太郎さん、お腰につけているのは何ですか」
「これは、日本一のきびだんごだ」
「いいなあ、ほしいなあ」
「家来になったら、あげるよ」
「では、なります」
こうして犬を家来にしました。

桃太郎と犬がぐんぐん歩いていくと、今度はサルに出会います。

「桃太郎さん桃太郎さん、お腰につけているのは何ですか」
「これか、日本一のきびだんごだ」
「いいなあ、ほしいなあ」
「家来になったら、あげるよ」
「では、なります」
こうしてサルを家来にしました。

桃太郎と犬とサルがぐんぐん歩いていくと、今度はキジに出会います。

「桃太郎さん桃太郎さん、お腰につけているのは何ですか」
「これがッ、日本一のッ、きびだんごだッ」
「いいなあ、ほしいなあ」
「家来になったら、あげる」
「では、なります」
こうしてキジを家来にしました。

決戦 鬼が島

こうして、桃太郎と犬、サル、キジの一行は鬼の住む島、
【鬼が島】を目指して船に乗り込みました。

ざぶざぶと海を渡っていくと、はるかかなたに不気味な島が見えてきます。

「ついた。あれが鬼が島だな」

岸に上がってみると、岩がゴツゴツしたいかにも恐ろしげな島で、
目の前にはデーンと鉄の門があり門番の鬼がギロッと
こっちをにらみます。

「なんじゃお前ら見慣れない顔だな」

そこで桃太郎は大声で名乗りをあげます。

「われそこは日本一の桃太郎!
お前ら鬼をやっけるため、
はるばる来たんじゃあ。
コテンパンにしたるから覚悟せいや」

門番の鬼は大笑いします。

このチビが何をいうかという感じです。
そのスキにキジがバァーーと飛んでいって、
門の鍵をはずします。

不意をつかれた門番の鬼を尻目に、
桃太郎一向はてけてけと鬼の城の中に入っていきます。

急に飛び込んできた桃太郎一向に鬼たちは驚きますが、
こんなチビに何ができると襲いかかってきます。

でもこっちは日本一のきびだんごを食べて強くなってるのです。
それに家来もゆうしゅうです。犬が鬼の足にかみつき、
サルがとびかかってひっかき、キジがヒューッと飛んで目をつっつきます。

桃太郎はひたすら木刀を振り回します。
鬼たちはさんざんにやられ、逃げていきます。

すると、ヌウーとでっかい赤鬼が出てきます。
鬼の親分です。金棒をぶんぶん振り回す姿はそれはもう強烈です。

「なんだお前たち、
こんな小僧ひとりにだらしがねえ。
俺が手本をしめす」

ブウン

金棒を振りおろした瞬間!

桃太郎は飛び上がってパカーンと鬼の額を木刀で叩きます。
そこへキジが目をつつき、

「うわああ」

ボス鬼が倒れたところを
犬とサルが噛んだり引っかいたり、さんざんにやっつけるのでした。

鬼たちはぺこぺこと謝り、もう二度と村を荒らしませんと約束し、
桃太郎に沢山の宝物をくれます。

こうして桃太郎一行はゆうゆうと引き上げていきました。

桃太郎の原型となったと思われる吉備津彦命を祀る
吉備津神社はJR吉備線吉備津駅から徒歩10分にあり、
岡山最大の神社として多くの参拝客を集めています。

解説:左大臣光永

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