オオクニヌシの国造り

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「あれは…何だ?」

大国主神が出雲国の御大(みほ)の岬にいらした時に、
海の向こうから小さなものが近づいてきました。

その者はガガイモの舟に乗り、蛾の皮をはいで衣にして着ていました。

「何者だ?」

「……」

「何者だと聞いているのだ!」

「……」

第一の協力者 スクナビコナ

いくら聞いても答えないので、他の神々に聞いてみますが、
誰もその神の名を知るものはありません。
そこで大国主は困り果てて、物知りの神クエビコに
尋ねます。

クエビコ(久延毘古)は案山子のように一本足の神様で、
自分で歩くことはできないのですが、何でも知っている
物知りの神様です。

クエビコが言います。

「それはカムムスヒ(神産巣日神)の御子、
スクナビコナノカミ(少名毘古那神)です」
「ぬっ、カムムスヒさまの御子か」

そこで大国主神はその小さな神様を手の平に乗せて、
高天原に昇り、カムムスヒに面会を申し出ます。

カムムスヒは言います。

「おお、これこそわが子スクナビコナ。
あんまり小さいからうっかり指の間からこぼしてしまったのだ。
よく見つけてくれた。スクナビコナは
汝アシハラシコオノミコト(葦原色許男命)と兄弟となって
葦原中国を治めるであろう」

こうして大国主神とスクナビコナは兄弟となって
葦原中国を治めることとなりました。

しかし国造りもようやく形になってきたころ、
スクナビコナは突然常世国(とこよのくに)へ去って行きました。

「ああ…これからは誰を頼ったらいいんだ。
俺一人で国造りなんて…荷が重すぎる…」

大国主神は心強い国造りの協力者を失って、途方に暮れます。

第二の協力者 オオトシノカミ

その時パアッと海が輝き、声が聞こえてきます。

「我を祭れ。国造りに協力しよう」

「あなたはどなたですか?」

「人呼んでオオトシノカミ(大歳神)。
我を大和の青々とした東の山の上に祭るがよい。
必ず、お前の国造りに協力しよう」

その言葉通り、大国主神はオオトシノカミを
大和の東、御諸山(三輪山)に祭ります。

その後の国造りは実にうまく運び、
大国主神は葦原中国の国造りを完成することができました。

大国主神を助けたオオトシノカミは
現在に至るまで奈良県桜井市の大神(おおみわじんじゃ)神社に
祀られています。

≫つづき【葦原中国の平定】

解説:左大臣光永

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