ぶんぶく茶釜

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こんにちは。左大臣光永です。

強烈に暑くなってきましたね!昨日池袋に買い出しに行ったら、日差しがギラギラで頭がクラ~としました。今年の夏もきびしい暑さになりそうですが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、しばらく新選組の話を続けてきましたが、血なまぐさい話ばかりでは疲れるので、たまには平和でノンビリした話をして、中和します。

昔話の面白さに、いろいろな動物が出てきて、ふつうに人間と会話することがあります。人間の側も、「げえっ!狸がしゃべった!世紀の大発見だ。大学か、政府機関に伝えなきゃ」などと、大騒ぎするわけでもなく、ごく普通に受け入れ、しゃべっている…実にのんびりしたことです。

というわけで本日のお話は昔話「ぶんぶく茶釜」です。

▼音声が再生されます▼

http://roudoku-data.sakura.ne.jp/mailvoice/Bunbuku2.mp3

昔昔、とても貧乏な古道具屋さんがいました。いっしょうけんめい商売をするのですが、ようりょうがわるく、貧乏から抜け出せないでいました。

ある時、あぜ道を歩いていると、立派な茶釜が落ちていました。

「これはいい茶釜だ。うまくすると売れるかもな」

古道具屋さんは家に茶釜を持って帰ります。だいぶすすけているので、水で流し、砂でゴシゴシ洗います。

すると、どこからか声がします。
「あ、いててて…」

気のせいか、茶釜が喋ったような気がするのです。

試しに水を入れて、火にくべました。

「あつっ、あつっ」

茶釜は飛び上がって、床の上にゴロゴロと転がります。見ていると、にょきっにょきっと手足が生えてきます。

「な、なんじゃあ!?」

最後にヌッと狸の顔が出てきました。ちょうどタヌキが背中に茶釜をひっつけたような感じです。

「ひっ…タヌキ!」
「はい。私はぶんぶくという名のタヌキです。あなたすみませんがね、何か食わしてもらえませんか。私はどうももう腹が減ってしまいまして」

その声があまり哀れだったので、古道具屋さんは麦雑炊を作ってあげました。大根も二切れ入れました。よほどお腹がすいていたと見えてタヌキはむしゃむしゃ食べました。

お腹いっぱいになると、ぶんぶくはわけを話します。

「いや、助かりました。実は情けないことになっちまって。山で仲間と化け比べをしたんですが、私はそこで茶釜に化けたんですが、戻れなくなっちまって…。大変なことですよ。だからあなた、ここに置いてくれませんか?」

古道具屋さんはきいているうちに要領が悪くて損ばかりしている自分の姿が重なります。とても他人事とは思えません。似たもの同士という感じです。

とはいっても貧乏暮らしで生き物を飼う余裕なんてありません。ところがぶんぶくは「お金なら私が稼ぎますよ」と言うのです。

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「お前が金を稼ぐって?」

「はい。私は綱渡りが得意ですから、あなたに見世物小屋を作ってもらって、お客さんをワッと呼んで、二人で稼ぎましょうや」

ぶんぶくの言うままに古道具屋さんは一週間かけて見世物小屋を作ります。

さあさ寄ってらっしゃい
見てらっしゃい
世にもめずらしい狸の綱渡り
うまくできたらご喝采
ぶんぶく茶釜の綱渡り

二人でビラをまいたりポスターを貼ったりいっしょうけんめい宣伝したかいがあって、初日からすごい人だかりです。

会場の端から端へぴゃーーっと張られた綱の上を傘を持ったぶんぶくが歩いていきます。ドコドコドゴドコ…古道具屋さんは太鼓を叩きます。

たくさんのお客さんがちゅうもくする中、ぶんぶくはゆっくり歩いていきます。

すると、古道具屋さんの太鼓がドコン、ドコン、ドンドン、ドコン、激しいリズムを刻み始めます。

それに合わせてぶんぶくは跳んだり跳ねたり、傘をパッと閉じたり開いたり、またくるくる回したり。綱がびよんびよん揺れて危なっかしい感じですが、うまくバランスをとって踊ります。

「いよっ、ぶんぶく」
「ぶんぶくサイコー」

お客さんたちは大喜び。ワーッと惜しみない拍手を送ります。

こうしてぶんぶくの綱渡りは大当たり。たぬきまんじゅうやたぬきせんべいも売り出して大ヒットとなり、古道具屋さんは貧乏生活とおさらばできたということです。

今でも群馬県の茂林寺にはぶんぶくが化けたという茶釜が納められています。

いただいたお便りより

左大臣さま

音声ファイルありがとうございます!
小学校の時に学校教育の一環で百首覚え、6年生では
クラス対抗源平戦をしていました。

あれから20年以上の時がたち...
ふとその頃を思いだしましたところ、半分くらい覚えていて
びっくりしました。
意味も知らず覚えていたのに子どもの記憶はすごいです。

せっかくなので、覚えなおしてやろうとおもいまして
ダウンロードさせていただきました。
きっちり覚えましたら、かるたクラブなどに入ろうかなと。

ありがとうございます!

…このようにいただきました。ありがとうございます!
そうですよね!子供時代に覚えたことは、なぜか後々まで覚えているものです。
百人一首をふたたび覚えようという意気込み、すばらしいと思います。
歌人の名前と番号もセットでおぼえると、よりイメージが具体的になって、いいですよ。

本日も左大臣光永がお話しました。ありがとうございます。

解説:左大臣光永

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