葦原中国の平定

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アマテラスの御子

さてアマテラスオオミカミはじめ高天原の神々は
長い間大国主神に葦原中国の統治をまかせてきました。

しかし葦原中国がすっかり平定されると
アマテラスオオミカミはこんなことを言い始めます。

「葦原中国はわが御子アメノオシホミミノミコトが支配すべき国です」

そこで母アマテラスオオミカミに命じられたアメノオシホミミノミコトが
葦原中国に下りますが、途中、天の浮橋の上から見下ろすと、
ゴチャゴチャさわがしくて、とてもめんどくさそうです。

「私はイヤです。あんな騒がしい国は」

こうしてアメノオシホミミノミコトは
高天原に戻ってきてしまいました。

第一の使者 アメノホヒ

「なんとふがいない息子か!まあよい。この上は誰を遣わすか。
高天原のすべての神を集めて、話しあわせましょう」

オモイカネノミコトはじめ高天原の神々は
天の安の河原に集まって話し合います。

「そもそも葦原中国は、タカミムスヒノカミとアマテラスオオミカミが
将来御子の統治する国として下されたものである。
しかし今や葦原中国の各地には、荒ぶる国つ神があふれている。
このややこしい場所に、いったい誰を遣わしたものか」

「アメノホヒノカミはいかがでしょうか?」
「うむ。アメノホヒか。あれならば、やってくれるかもしれん」

しかしアメノホヒは葦原中国に遣わされると
あっという間に大国主に買収され、手下になってしまいました。

第二の使者 アメノワカヒコ

「オモイカネ!アメノホヒは戻ってこないではないですか!」

「アマテラスさま、落ち着いてください。アメノホヒも何か
考えがあってのことでしょう。
偵察の意味もふくめて、今度はアメノワカヒコを遣わしましょう」

「今度こそうまくいくのじゃろうな?」

「まあ、たぶん」

「たぶん!!」

「い、いえ!必ずや、うまくやりおおせましょう」

こうしてアメノワカヒコはが天(あめ)のまかこ弓と
天(あめ)のはは矢を授けられ葦原中国に遣わされます。

「ふん。ようは大国主をブッ殺せばよいのだ」

意気揚々と葦原中国に下ったアメノワカヒコでしたが、
しかし大国主の娘、シタデルヒメと出会い、
愛し合うようになります。

「こんないい女のいる葦原中国を支配するなんて、
とんでも無い話だ。俺はもう面倒ごとイヤだ。
シタデルヒメと一緒に、この葦原中国でいつまでも幸せに暮らそう」
「あなた!」

アメノワカヒコとシタデルヒメはひしと手を取り合いました。

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ナキメ

アメノワカヒコは8年経っても帰ってきませんでした。

シビレを切らしたアマテラスオオミカミとタカミムスビノカミは
再度、神々を招集します。

「アメノワカヒコが長い間帰ってこない。
いったいどうなっているのか?葦原中国に誰か遣わして、
問いたださないといけません。誰がよいか?」

オモイカネが言います。

「アマテラスさま、ナキメ(鳴女)という名前の雉がおります。
この雉を遣わしましょう」

「オモイカネ!今度は雉ですか。お前適当なことばっかり言って、
ほんとは私をバカにしてるんじゃないの?」
「いえいえいえいえ、アマテラスさま、今度こそは…」

こうして雉のナキメは葦原中国に遣わされます。

アメノワカヒコの舘の入り口にある神聖な桂の木にとまり、
アマテラスオオミカミとタカミムスビノカミの意向を伝えます。

「アメノワカヒコ、お前が葦原中国に派遣されたのは
荒ぶる国つ神たちを従わせるためです。なのに任務をほったらかしにして
8年間も、いったい何をやっているのです!」

ナキメはなるべくアマテラスさまっぽく、キッキした感じで
声を出しました。我ながらうまいモノマネだと惚れ惚れしていると、
アメノワカヒコに仕えるアメノサグメ(天佐具売)という女が
アメノワカヒコに報告します。

「ひどい鳴き声です。あんなもの、射殺してしまいましょう」
「そうか。確かになんだか、やな声だな」

そう言ってアメノワカヒコはきりりと弓を引き絞り、ひょうと放つと
矢はずぶっとナキメを射ぬき、そのまま雉の胸の中を貫通し、
空に飛んでいき、どこまでも飛んでいき、雲を突きぬけて、
タカマガハラまで届き、

はしっ!!

その時、アマテラスオオミカミのお側にひかえていたタカミムスヒノカミが、指の間にその矢をはさんで、受け止めました。

「これは…アメノワカヒコに授けた天のはは矢…」

そこでタカミムスヒノカミは高天原の神々に仰せられます。

「もしアメノワカヒコに邪心が無いならアメノワカヒコに当たるな。
もし邪心があるなら、アメノワカヒコを射殺せ」

タカミムスヒノカミが手をひっくり返してひょうと
矢を飛ばすと、矢は雲を突き抜け、地上に向けて飛んでいき、どこまでも飛んでいき、
アメノワカヒコが寝ていたその胸にずぶうっと突き刺さり、
ぐううと、アメノワカヒコは息絶えてしまいました。

≫つづき【アメノワカヒコの弔い】

解説:左大臣光永

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